私の些細な経験でも、ほんの当たり前の旅行が予期せぬハプニングのために結果的に実に「劇的」な「ドラマティック」な旅に変わることがよくあります。というか、ほぼ常にそういうことになります。どう劇的かまたドラマティックかは、そのつど変わりますが、確実なことはそのときにあなたは群集の一人、人ごみの中の一人ではなく、その劇あるいはドラマの「主人公」になっているということです。問題は、その劇が悲劇に終わるか、喜劇に終わるかの違いで、この違いは確かに大きいものですが、しかし、それでもあなたは主人公、つまりヒーローであり、ヒロインであることは間違いありません。混乱、徒労、怒り、驚き、喜び、落胆、感謝、そして大団円(悲劇か喜劇はともかくとして)、とよい劇の要素はすべてそろっています。
とりあえず、それがインドの魅力の一端だと申しておきましょう。 |