デンマーク人の苗字について
1800年代のデンマークの農民は苗字を持っていませんでしたが,子どもはファーストネームをもらったら,それを父親の名前で補っていました.つまり,Niels Peterssønの長男はPeter Nielssøn,つまり,Nielsの息子(søn = 息子)と呼ばれました.さらにPeter Nielssønの長男はNiels Peterssønと呼ばれました.その後 -sønの部分の発音が弱化して現代多く見られる -senの苗字になりました.娘の場合もSigne Petersdatter(datter = 娘)のように呼ばれましたが,この「~の娘」という呼び方は現在では残っていません(ちなみに,アイスランドでは現在でも残っています).
このようにしてできた -sen という苗字は全国民の60%を超えており,2009年1月現在のデンマークの苗字トップ20を見ると第20位のMøllerを除くすべてが -sen です.第1位から第20位を並べてみると以下のようになります.
1) Jensen
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2) Nielsen
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3) Hansen
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4) Pedersen
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5) Andersen
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6) Christensen
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7) Larsen
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8) Sørensen
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9) Rasmussen
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10) Jørgensen
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11) Petersen
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12) Madsen
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13) Kristensen
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14) Olsen
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15) Thomsen
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16) Christiansen
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17) Poulsen
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18) Johansen
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19) Knudsen
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20) Møller
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童話作家として有名なアンデルセンは上の第5位の苗字Andersenと同じで,デンマーク語では -d- を発音しなくて,「アナスン」のように聞こえます.ただ,同姓の人が大勢いるので,童話作家のアンデルセンのことを話題にする場合には,単にAndersenといっただけでは駄目で,H.C. Andersen
「ホー・スィー・アナスン」といわなければなりません.