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●文法解説

 

ここでは,第8課で使われた表現に関連のある文法事項について説明します.

 

1. 従位接続詞

 これまでの課別学習で,いろいろな機能を持つ接続詞を習いました.ここでは,それらの接続詞についてより詳しく見ていくことにしましょう.

 

 まずこの第8課で学んだ接続詞,når, hvis, fordiについて考えましょう.次の例文を見てください.

 


?når vi kører fra Østerport Station?私たちがウスタポアト駅から行くと
?hvis du har tid?もしあなたに時間があるなら
?fordi det stopper flere steder?それはより多くの場所に停まるから

 

 これら når, hvis, fordi で始まる節に共通していることは,この節だけでは完全な文として成立しない,または意味を為さないということです.言い換えると,これらの節は別の節に従属することで,完全な文(完結文)と成ります.次の例文は,完結文です.

 

Hvor meget koster det, når vi kører fra Østerport Station?

私たちがウスタポアト駅から行くと,いくらかかりますか?

Hvis du har tid, kan vi tage derud nu.

もしあなたに時間があるなら,今からそこへ行けます.

Det tager længere tid, fordi det stopper flere steder.

それはより多くの場所に停まるので,より長い時間がかかります.

 

 このように,ある節を他の節に従わせる役割を持つ接続詞のことを従位接続詞と呼びます.

さらに従位接続詞によって導かれる節を従位節と呼びます.

そして従位節は単独で完結文となることはできず,完結文を構成する要素の1つとなります.(従位節を含む完結文の語順については下記の「語順4」を参照.)

 

 

 以下では,これまでのスキットで習った従位接続詞をそれらが表す概念や機能に分類しながら,見ていくことにしましょう.

 

 

「時」

da :過去に実際にあった一時点を指す:「~した時,~だった頃」

Vi legede tit sammen, da vi var børn.

私たちが子どもだった頃,私たちはよく一緒に遊びました.

 

Han besøgte os, da han var i København sidste gang.

前回彼がコペンハーゲンにいた時に,彼は私たちを訪ねました.

[besøge (besøgte, besøgt):訪ねる]

[sidste gang:前回]

 

Da han var ude at købe ind i går, mødte han sin nabo i supermarkedet.

彼が昨日買い物に出ていた時,彼はスーパーで自分の隣人に会いました.

[købe ind:買い物をする]

[nabo (-en, -er):隣人]

 

Der fandtes ikke internet, da jeg var lille.

私が幼かった頃,インターネットはありませんでした.

 

når

i) 未来のある時を指す:「~したら」

Når jeg bliver stor, vil jeg være læge. 私は大きくなったら,医者になりたい.

Kan du ikke ringe til mig, når du kommer?

あなたが来るときに,私に電話をしてもらえませんか?

[ringe (-de, -t):電話をする]

 

ii) 何度も繰り返される時を指す:「~するときはいつも」

Når jeg har fødselsdag, holder jeg fest.

私は誕生日を迎える時はいつもパーティを開きます.

De hører radio, når de spiser morgenmad.

彼らは朝食を食べる時はいつもラジオを聞きます.

[høre (hørte, hørt):聞く]

[radio (-en, -er):ラジオ]

 

iii) 過去において何度も繰り返された時を指す:「~したときはいつも」

Når jeg kom hjem fra skole, spiste jeg frokost.

私は学校から帰るといつも,昼食を食べたものでした.

[skole (-n, -r):学校]

Hun gik i biografen, når hun havde råd til det.

彼女は金銭的な余裕があるときにはいつも,映画館に行きました.

[have råd til ~:~する余裕がある]

 

 

「条件」

hvis :もし~ならば

Hvis du har tid, kan vi tage derud nu.

もしあなたに時間があれば,今からそこに行けます.

Hvis det bliver godt vejr i weekenden, tager vi til Klampenborg.

もし週末良い天気になれば,私たちはクランベンボーへ行きます.

[weekend (-en, -er):週末]

 

 

 

「理由」

fordi :なぜなら~だから

Det tager længere tid med S-tog, fordi det stopper flere steder.

S-電車はより多くの場所に停まるので,それではより長い時間がかかります.

Jeg skal hjem nu, fordi jeg skal tidligt op i morgen.

私は明日早く起きなければならないので,もう帰らないといけません.

[tidlig (-t, -e):(時間が)早い]

 

注意!

 理由を表すfordiで文を始めることは原則としてできません.つまり,上の例文の従位節を文頭に置くことはできないということです.

 

× Fordi jeg skal tidligt op i morgen, skal jeg hjem nu.

 

 しかしながらスキット内では,ジュンコのなぜ?という質問に対して,リーヴァがfordiで始まる文を言っているような箇所があります.

 

 Fordi det stopper flere steder.

 

これは一見,fordiで始まる文のように見えますが,実際には次の文

 

 Det er, fordi det stopper flere steder.

 

から det erを省略したものであると解釈されます.


 

「名詞節を導く」

at :名詞節を導く

Jeg tror, (at) han kommer. 私は,彼は来ると思います.

Jeg synes, (at) filmen er god. 私は,その映画は面白いと思います.

Jeg håber, at det lykkes dig at få et job.

私はあなたが仕事を得られることを願います.

 




2. 語順4

 上で述べた「従位接続詞」に関する記述で,hvisやfordiなどの従位接続詞によって導かれる従位節は,単独で完結文となることはできず,完結文を構成する要素の1つとなるということについて触れました.

 

 ここでは,完結文が従位節を含む場合の語順について確認しましょう.これまでのスキット内から該当する例文を,第5課で学んだ表にしたがって記述すると以下のようになります.(赤色の太字部分が従位節に当たります.)


 

接続詞前域中域後域
定形動詞主語中域副詞不定形動詞その他の要素
Vilegedetitsammen, da vi var børn.
menhvis du har tid,kanvitagederud nu.
Hvor megetkosterdet, når vi kører fra Østerport.
Detkoster26 kr., fordi der er fire zoner til Klampenborg.
Jegtror,det tager ca. ti minutter.

 

 上の表からも分かるように,従位節は前域にも置くことができます.その場合には,従位節の直後には,定形動詞→主語という語順になるということに注意しましょう.

 




3. 疑問詞のまとめ

 これまでの課別学習では,様々な疑問詞が使われていました.ここでは,おさらいの意味も含めて,デンマーク語の疑問詞について復習することにしましょう.以下では,まず疑問代名詞について,そして疑問副詞について解説します.

 

 

― 疑問代名詞 ―

 疑問代名詞とは,話し手にとって未知である要素について尋ねるために使われる代名詞のことで,疑問文を導きます.

 デンマーク語では,「何」を表す場合にはhvadを,「誰」を表す場合にはhvemを,そして「誰の」を表す場合にhvisが使われます.

 


主格・目的格所有格

だれhvem hvis
なにhvad

 

hvem :誰が,誰を

Hvem er det? あれは誰ですか?

- Det er min farfar. あれは私の父方の祖父です.

Hvem rejser til Japan i oktober? 誰が10月に日本へ旅行しますか?

- Det gør Liva. リーヴァです.

Hvem skal du besøge i morgen? あなたは明日誰を訪ねる予定ですか?

- Jeg skal besøge min lillesøster. 私は自分の妹を訪ねる予定です.

 

 

hvis :誰の

Hvis taske er det? これは誰のかばんですか?

- Det er Bentes. ベンデのです.

Hvis bøger er det? それは誰の本ですか?

- Det er Jakobs. それはヤコプのです.

[bog (-en, bøger):本]

[Jakob:男子名]

 

 

hvad :何が,何を

Hvad er det? それは何ですか?

- Det er en osteskærer. これはチーズカッターです.

Hvad skal du spise i aften? 今晩は何を食べますか?

- Jeg vil lave frikadeller. フリカデレを作ろうと思います.

Hvad underviser hun i? 彼女は何を教えていますか?

- Hun underviser i dansk. 彼女はデンマーク語を教えています.

 

 

 次に,「どれ,どの」を表す疑問代名詞 hvilken, hvilket, hvilke について見ていきましょう.

 


 単数複数
共性hvilken hvilke
中性hvilket

 

 表からも分かるように,この疑問代名詞は,性・数によって変化をします.

 

Hvilken farve kan du bedst lide? どの色があなたは一番好きですか?

- Jeg kan bedst lide rød. 私は赤が一番好きです.

Hvilket fag kan du bedst lide? どの科目があなたは一番好きですか?

[fag (-et, -):科目;分野]

- Jeg kan bedst lide matematik. 私は数学が一番好きです.

[matematik (-ken):数学]

Hvilke lande i Europa har du været i?

ヨーロッパではどの国に行ったことがありますか?

[Europa:ヨーロッパ]

- Jeg har været i Danmark, Italien og Frankrig.

私はデンマーク,イタリアそしてフランスに行ったことがあります.

 

 

 しかしながら,これらhvilken, hvilket, hvilkeという疑問代名詞は現代では書き言葉的であり,話し言葉ではそれぞれhvad for en , hvad for et , hvad for nogle が代わりに使われます.

 

Hvad for en farve kan du bedst lide? どの色があなたは一番好きですか?

Hvad for et fag kan du bedst lide? どの科目があなたは一番好きですか?

Hvad for nogle lande i Europa har du været i?

ヨーロッパではどの国に行ったことがありますか?

 

 また,対象となる名詞が単数形の場合は,hvadを直前に付けて「何日」,「何曜日」,「何色」のように表すこともできます.

 

Hvad dato er det i dag? 今日は何日ですか?

Hvad dag er det i dag? 今日は何曜日ですか?

Hvad farve kan du bedst lide? あなたは何色が一番好きですか?

 

 さらに hvad slags という表現で,「どの種類の」を表すことができます.

 

Hvad slags musik kan du bedst lide?

どんな種類の音楽があなたは一番好きですか?

[musik (-ken):音楽]

-Jeg kan bedst lide jazz. 私はジャズが一番好きです.

[jazz (-en):ジャズ]

 

 

 次に,疑問副詞について見ていきましょう.疑問副詞とは,話し手にとって未知である要素について尋ねるために使われる副詞のことで,疑問文を導きます.ここでは,これまでの課で習った表現を中心に,疑問副詞について取り扱うことにします.

 

hvordan :どのように

Hvordan kommer du hjem? あなたはどうやって家に帰りますか?

- Jeg tager bussen. 私はバスに乗ります.

Hvordan har din dag været ? あなたの一日はどのようでしたか?

- Den har været lang. 長い1日でした.

Hvordan smager gulerodssalaten? にんじんサラダはどんな味がしますか?

- Den smager virkelig godt. それはとても美味しいです.

 

 

hvornår :いつ

Hvornår skal du flytte? あなたはいつ引っ越しますか?

- På torsdag. 今度の木曜日です.

 

 

hvorfor :なぜ

Hvorfor cykler du ikke i dag? なぜ今日は自転車で行かないのですか?

- Fordi min cykel er punkteret. なぜなら私の自転車がパンクしているからです.

 

 

hvor :どこ

Hvor ligger Københavns Hovedbanegård?

コペンハーゲン中央駅はどこにありますか?

- Den ligger over for Tivoli. それはチボリ公園の向かい側にあります.

Hvor kommer han fra? 彼はどこの出身ですか?

- Han kommer fra Frankrig. 彼はフランスの出身です.

Hvor skal du hen? あなたはどこに行くのですか?

- Jeg skal på posthuset. 私は郵便局に行きます.

[posthus (-et, -e):郵便局]

Hvor er du henne? あなたは今どこにいますか?

- Jeg sidder på en café. 私はカフェにいます.

[café (-en, -er):カフェ]

 

 

 疑問代名詞hvorは,形容詞や副詞とともに使われる場合があります.その場合は,該当する形容詞や副詞が表す内容の程度について尋ねることになります.

 

hvor gammel :何歳

Hvor gammel er han? 彼は何歳ですか?

- Han er 30. 彼は30歳です.

Hvor gammelt er dit hus? あなたの家は築何年ですか?

- Det er 20 år gammelt. それは築20年です.

Hvor gamle er dine forældre? あなたの両親は何歳ですか?

- Min mor er 58, og min far er 60. 私の母は58歳で,私の父は60歳です.

 

 

hvor lang tid :どれくらいの時間

Hvor lang tid tager det at rejse til Japan?

日本へ旅行するのにどれくらい時間がかかりますか?

– Det tager ca. 12 timer med fly. 飛行機で約12時間かかります.

 

 

hvor længe :どれくらいの間

Hvor længe skal du blive i Danmark?

あなたはデンマークにどれくらいの間滞在する予定ですか?

– I tre uger. 3週間です.

Hvor længe har du boet i Danmark?

あなたはデンマークにどれくらいの間住んでいますか?

– I tre år. 3年間です.

 

 

 

 

 

hvor mange :どれくらい多い

Hvor mange passagerer var der i flyet? 飛行機には何人の乗客がいましたか?

– Ca. 100. 100人程度いました.

[passager (-en, -er):乗客]

Hvor mange gange har du været i Italien?

あなたはこれまでにイタリアに何回行ったことがありますか?

– Kun to gange. 2回だけです.

Hvor mange ord er der i ordbogen? 辞書には何語ありますか?

– Ca. 10.000. 約1万語です.

[ordbog (-en, ordbøger):辞書]

[ord (-et, -):語,単語]

 

 

hvor meget :どれくらい多い

Hvor meget koster det? それはいくらですか?

– Det koster 100 kr. 100クローネです.

 

 

hvor tit :どれくらい頻繁に

Hvor tit besøger du dine forældre?

あなたはどれくらい頻繁に自分の両親を訪ねますか?

– Ca. 5 gange om året. 年に5回程です.

[om året:1年の間に]

Hvor tit spiser du ude? あなたはどれくらいの頻度で外食をしますか?

– En gang om ugen. 週に1回です.

[om ugen:1週間の間に]