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第8課 電車でお出かけ

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●会話表現

 

ここでは,第8課のスキット内で使われている会話表現をもとに,初歩的な会話表現について見ていくことにしましょう.

 

1. どのくらいかかりますか?(時間)

Hvor lang tid tager det så? その場合はどのくらい時間がかかりますか?


〔det tager + 時間〕で「時間がかかる」ことを表します.

 

Det tager to timer. 2時間かかります.

[time (-n, -r):時間]

Det tager en dag. 1日かかります.

 

〔det tager + 時間 + at-不定詞〕で「~するのに時間がどのくらいかかる」を表します.

 

Det tager en time at lave frikadeller. フリカデレを作るのに1時間かかります.

Det tager ca. tolv timer at flyve fra Japan til Danmark.

日本からデンマークへ飛行機で行くのに約12時間かかります.

[flyve (fløj , fløjet ):(飛行機で)行く]

 

 

 「時間がどのくらいかかるか」ということを聞くためには,hvor lang tid <どのくらい長い時間> という疑問詞句を使って,疑問文を始めます.

 

Hvor lang tid tager det at rejse til Japan?

日本へ行くのにどれくらいかかりますか?

Hvor lang tid tager det at cykle hjem?

自転車で帰宅するのにどれくらいかかりますか?

[cykle (-de, -t):(自転車で)行く]

 





2. なぜ? ― なぜなら~ :理由を尋ねる ― 理由を答える

 スキットでは,S-電車(S-tog)に乗ると長い時間がかかる理由をジュンコがリーヴァに尋ね,そしてリーヴァがそれに対して答えています.

 

Hvorfor tager det længere tid? なぜより長い時間がかかるのですか?
Fordi det stopper flere steder.
なぜならそれ(S-電車)はより多くの場所に停まるからです.


Hvorfor cykler du ikke i dag? なぜ今日は自転車で行かないのですか?

- Fordi min cykel er punkteret. なぜなら私の自転車がパンクしているからです.

[punkteret:パンクした]

Hvorfor kom du for sent? なぜ遅れてきたのですか?

- Fordi jeg sov over mig. 寝過したからです.

[sen (-t, -e):遅い]

[sove (sov , sovet ):寝る,sove over sig:寝過す]

 

また,「なぜなら~」という場合に Det er, fordi ~. <それはなぜなら~からです>というように答えることもできます.

 

Hvorfor er du så træt? なぜあなたはそんなに疲れているのですか?

-Det er, fordi jeg sov dårligt i nat. それは昨夜よく眠れなかったからです.

[træt (-, -te):疲れた]

[dårlig (-t, -e):悪い]

[i nat:昨夜]

 






3. ~と思う

Jeg tror, det tager ca. ti minutter. 約10分かかると思います.


 英語のthat-節を導く接続詞thatに相当する接続詞atがここでは,省略されています.これを省略しなければ,Jeg tror, at det tager ca. ti minutter. となります.

 第6課では,同じように「~と思う」という意味を表すsynesについて学びました.

 

 troとsynesは共に日本語で「思う」,英語でthinkと訳すことができますが,両者は実は同じ意味ではなく,troが <(真実のあることに関して,知らないことではあるが,そうであろうと)思う> という意味を表すのに対して,synesは <(経験に基づいて/個人的に)思う> という意味を表します.

 したがって,「私は,デンマークの首都はオーゼンセというと思う」という文はtroで表現します.

 

○ Jeg tror, at Danmarks hovedstad hedder Odense.

× Jeg synes, at Danmarks hovedstad hedder Odense.

 

 これは,デンマークの首都がオーゼンセという名前ではなく,コペンハーゲンであるという事実があり,調べればわかることなので,troを使うことしかできないからです.

 

 一方,次の例文では,synesとtroが両者とも「それは良い映画だと思う」という日本語に訳されています.

 

Jeg så De syv samuraier i går. Jeg synes, det er en god film.

私は昨日「七人の侍」を見ました.私はそれは良い映画だと思います.

 

Jeg skal se De syv samuraier i aften. Jeg tror, det er en god film.

私は今晩「七人の侍」を見ます.私はそれは良い映画だと思います.

 

 まず,synesが使われている例文では,その直前に「私は昨日「七人の侍」を見た」という記述があります.それを前提に,「私はその映画は面白いと思います」と述べていて,それは話者の「(経験に基づいた)個人的意見」なので,synesが使われています.

 次に,trorが使われている例文では,その直前に「私は今晩「七人の侍」を見ます」という記述があります.実際に映画はまだ見てはいないけれども,デンマークでは「七人の侍」が誰もが絶賛する映画だということから,「私はその映画は面白いと思います」と述べていて,この場合は話者が「その映画が面白いかどうかはまだ知らないがそうであろうと思っている」ことを表すために,trorが使われています.

 





4. その他の便利な表現

・ 移動手段を伝える

 スキットでは,リーヴァがBakken(バゲン)までの移動手段を伝える際に,次のように言っています.

 

Man kan tage toget. 電車で行くことができます.


 移動手段を表す場合,2通りの言い方があります.まず,スキット内の表現にあるように,[動詞tage+交通手段を指す名詞の既知形]という言い方が1つです.

 

Vi tager toget ind til København. 私たちはコペンハーゲンへ電車で行きます.

Vi tager bussen ind til centrum. 私たちは中心地までバスで行きます.

[centrum (centret, centre):中心地,中心部]

 

 この他に,スキットのタイトル udflugten med toget <電車でお出かけ> にもあるように,手段を表す前置詞medを使って言うこともできます.尚,medの後に置かれる交通手段を表す名詞は,未知形の場合も既知形の場合もあります.

 

Vi tager med tog ind til København.

Vi tager med toget ind til København.

私たちはコペンハーゲンへ電車で行きます.

 

Vi tager med bus ind til centrum.

Vi tager med bussen ind til centrum.

私たちは中心地までバスで行きます.

 

Vi rejser med fly til Aalborg.

Vi rejser med flyet til Aalborg.

私たちはオルボーへ飛行機で行きます.

[fly (-et, -):飛行機]

[Aalborg:オルボー,ユラン半島の北に位置する町]

 

Vi kommer med færge fra Oslo til København.

Vi kommer med færgen fra Oslo til København.

私たちはオスロからコペンハーゲンまでフェリーで行きます.

[færge (-n, -r):フェリー]

 






・ 相手の意見・提案に返答して

 

Det lyder spændende. それは面白そうですね.


 これまでの課別学習でも何度か出てきましたが,det lyder ~.で <~そう>という意味を表すことができます.Det lyder spændende. もよく使われる表現ですので,覚えておきましょう.






・ ~しなければならない,~する必要がある

 スキットでは,乗る予定だった電車に乗り遅れたリーヴァが次のように言っています.

 

Nu er vi nødt til at tage S-toget.
それではS-電車(コペンハーゲン近郊電車)に乗って行かなければなりません.


 [være nødt til at-不定詞]で,<~する必要がある>,<~しなければならない> という意味になります.この表現は,何らかの理由からある行為を行なう必要が生じた場合に使われます.よく使われる表現ですので,覚えておきましょう.

 

Jeg er nødt til at gå nu. 私はもう行かなければならない.

Lars er nødt til at holde pause. ラースは休憩をする必要がある.

[holde pause:休憩をする]

De var nødt til at blive hjemme. 彼らは家に留まらなければならなかった.

[blive:留まる]