一.中国の手紙の書式
1.中国の手紙の基本構成
④ 結び(正式な手紙)
正式な手紙において、大陸でもっともよく用いられるのが“此致 ”、“敬礼 ”という結びである。それぞれ「以上」、「敬具」を意味し、比較的あらたまった表現である。
“此致 ”は、改行して本文の下に2マス空けてから書くか、改行せずにそのまま本文の後に続けて書く。
(1) (本文)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
此致。
(2) (本文)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。此致。
“敬礼 ”は改行して、“此致”の下の行に、頭から詰めて書く。
また、“敬礼”のかわりに、季節に応じて“即颂 秋安”“即颂 冬安”などと書い ても良い。以下、具体例をいくつか紹介するので参照のこと。
①の宛名および結びの後半部(“敬礼”など)を行の頭から書くのは、受取人に対する一種の尊敬の書き方である。これは古代中国の手紙の書き方(“抬头 (行の頭に移して書く)”)の影響を受けている。古代中国人は相手に対して尊敬を示すた めに、相手の氏名を書くたびに必ず改行した。現在はもうこの書き方は使われ ていないが、宛名と結び言葉の後半部には、まだ古代の痕跡が残っているとい える。台湾の書き方と少し異なるので、二の2を参照。