もっと学びたい人へ(13)
第13課では,動詞本体のヒキノバシの,ナセル・ナセレル体,ナサス・ナサセル体,ウラガエシ体について,見ました。
◇ 動詞本体ヒキノバシのシルシ
第13課で見たのは,尻尾が‘-a’の動詞本体と,尻尾が‘-a’以外の動詞本体のナセル・ナセレル体,ナサス・ナサセル体でした。ここでは,単音節動詞のナセル・ナセレル体,ナサス・ナサセル体について,見ておきましょう。
それから,動詞本体のヒキノバシについてもう一つ,ナシウル体についても見ておきましょう。
また,ヒキノバシのシルシの順序についても,一緒に見ておきましょう。
◆ 単音節動詞本体のヒキノバシ(2)
単音節動詞本体のヒキノバシのシルシは,各体とも動詞本体により決まっています。
■ ナセル・ナセレル体
■ ナサス・ナサセル体
◆ ナシウル体 ( :ikan- / :ekan- )
第11課と第13課で,動詞本体ヒキノバシのシルシを,以下の6種類見ました。
この他にもう一つ,‘:ikan- / :ekan-’という動詞本体ヒキノバシのシルシがあります。この‘:ikan- / :ekan-’のシルシは,例えば‘+ sema’〈言う〉を,‘+ semekana’〈言いうる,言える〉に変える,いわばナシウル体のシルシです。
第9課のスキットに登場していました。覚えていますか?
シルシの形から察しが付くように,これは形式上,ナセル・ナセレル体とナシアウ体の合併形です。ヒキノバシの方法は,ナセル・ナセレル体と同様です。シルシが‘:ikan-’になるか,‘:ekan-’になるかは,元の動詞本体の尻尾の前の母音で決まります。シルシが‘:ikan-’になるのは,尻尾の前の母音が‘-a-’,‘-i-’,‘-u-’の場合です。そして,‘:ekan-’になるのは,尻尾の前の母音が‘-e-’,‘-o-’の場合です。
◇ ナシウル体のシルシ
他にも,このようなナシウル体があります。
例1で,‘:ikan-’のシルシに‘l’が付いているのは,ヒキノバシ元の動詞本体‘+ jua’の尻尾の直前が母音になっているためです。
◆ 動詞本体ヒキノバシのシルシの順序
動詞ヒキノバシのシルシは,動詞本体1つにつき,1つとは限りません。複数のシルシが連なることもあります。第3課のスキットに,このようなセリフが登場していました。覚えていますか?
この動詞本体‘+ rudishia’には,‘:ish-’というナサス・ナサセル体のシルシと,‘:i-’というニ・デナス体のシルシが挿入されています。
シルシの連なる順序で決まっているのは,ウラガエシ体のシルシが最初に入ることと,ナサレル体のシルシが最後に入ることです。残りの部分の順序は,意味により決まります。
◇ 動詞ヒキノバシのシルシの順序
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