もっと学びたい人へ(10)
第10課では,名詞シルシ系の形容詞のシルシについて見ましたね。
◇ 名詞シルシ系の形容詞のシルシ
ただし,名詞クラス5,クラス9/10の形容詞のシルシは,この通りではありません。規則は少々複雑です。一緒に見ていきましょう。
◆ 名詞シルシ系形容詞の名詞クラス5のシルシ
名詞シルシ系の形容詞の名詞クラス5のシルシの基本は,母音始まりの語に‘j-’が付き,子音始まりの語には何も付かないということでしたね。母音始まりの語に付くシルシは,本来は‘ji-’なのですが,‘j-’と考えるのが実際的です。
◇ 基本
ただし,母音始まりの語でも,‘- angavu’〈明るい〉と,‘- ovu’〈邪悪な〉には,‘j-’のシルシが付きません。
◇ a- / o- 始まりの形容詞
そして‘- pya’〈新しい〉は,子音始まりですが,音の切れ目が1つしかないため,シルシを採ります。またこのとき‘- pya’は,名詞クラス5の本来のシルシ‘ji-’を採るので,「不規則」的な形にみられます。
◇ 「不規則」的
◆ 名詞シルシ系形容詞の名詞クラス9/10のシルシ
名詞シルシ系の形容詞の名詞クラス9/10のシルシの基本は,母音始まりの語に‘ny-’が付き,子音始まりの語に‘n-’が付くということでしたね。ただし,子音始まりで‘n-’が付くのは,‘d-’,‘g-’,‘z-’始まりの形容詞のみでした。
◇ 基本
‘d-’,‘g-’,‘z-’以外から始まる次の形容詞にはシルシが付きません。
◇ d-,g-,z- 以外で始まる形容詞
また,母音始まりの語でも,‘- angavu’〈明るい〉と,‘- ovu’〈邪悪な〉には,‘ny-’のシルシが付きません。
◇ a- / o- 始まりの形容詞
それから,子音の‘b-’始まりの語には,‘m-’のシルシが付きます。これは,元のシルシの‘n-’の音が,直後の‘b-’の影響を受けて‘m-’に変わるためです。
◇ b- 始まりの形容詞
‘p-’始まりの形容詞‘- pya’〈新しい〉も,これに準じて‘m-’のシルシを採ります。同じ‘p-’始まりでありながら前に見た‘- pana’にはシルシが付かず,この‘-pya’にはシルシが付くのは,‘- pya’の音の切れ目が1つであるためです。
◇ p- 始まりの形容詞(音の切れ目が1つ)
また,‘r-’始まりの形容詞‘- refu’〈長い〉では,‘- refu’の最初の‘r’の音が,直前のシルシの‘n-’の音に影響されて,‘d’に変わります。そのため,‘nrefu’とはならずに,‘ndefu’となります。
◇ r- 始まりの形容詞
‘w-’始まりの形容詞‘- wili’〈2つの〉では,シルシの‘n-’の音が,直後の‘w-’と相互に影響し合い,‘nwili’とはならずに,‘mbili’となります。
◇ w- 始まりの形容詞
最後に,次の‘- ema’は,不規則的に‘nj-’のシルシを採ります。
◇ 不規則的
少々ややこしいですが,何度も口に出して言ってみましょう。自然と覚えられるはずです。
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