もっと学びたい人へ(9)
第9課で,動詞シルシ形時ナシ動詞のハアル表現について見ました。
◇ [動詞シルシ形](時ナシ動詞) ハアル表現
このハアル表現で表わされるのは,「~はある」状況のみで,普通は現状が表わされるのでしたね。ここでは,「~はあった」や,「~はあるだろう」といった,過去・未来の「~はある」状況の表わし方についても見ていきましょう。
それから,ガアル表現やハアル表現で用いられる時ナシ動詞についても,もう少し詳しく一緒に見ていきましょう。
◆ [動詞シルシ形](時ナシ動詞)
ハアル表現の過去形と未来形
動詞シルシ形時ナシ動詞のハアル表現で,過去と未来の「~はある」状況を表わすには,「~である」,「~になる」という意味の動詞本体‘+ wa’を用います。ガアル表現や,‘A ni B’の文の場合と同じですね。つまり,「~はある」状態「であった/になった」,「~はある」状態「であるだろう/になるだろう」というように,動詞シルシ形スル・シタ式で表わすのです。否定形も同様です。
‘+ wa’の前の‘-ku+’は,動詞シルシ形の音の調子を整えるために,挿入されています。また肯定形では,以下のように表わされることもあります。
◆ 時ナシ動詞
さあ,時ナシ動詞を,これまでに3つ見てきましたね。第1課で最初に学んだあいさつの‘+ jambo’も,実は時ナシ動詞だったのです。確認していませんでしたが,このカワリナイ表現の‘+ jambo’は,否定形のみで用います。肯定形で表わすことはできません。
◇ 時ナシ動詞
これらカワリナイ表現の‘+ jambo’,ガアル表現の‘+ na’,ハアル表現の‘+ po /+ ko /+ mo’は,他の動詞シルシ形と同じように主語のシルシを採ります。また,これらは過去形や未来形にすると,「~である」,「~になる」という意味の動詞本体‘+ wa’を伴って,動詞シルシ形スル・シタ式の形になります。しかし,これらの表現には「時(とき)」を表わすシルシがなく,‘+ jambo’,‘+ na’,‘+ po /+ ko /+ mo’は,例えば‘+ soma’〈学ぶ〉などのような他の動詞とは区別されます。よって,これらを総称して 「時ナシ動詞」 と呼ぶのです。
この 「時ナシ動詞」 の仲間にもう一つ,‘+ ngali’があります。これは,「まだ~である」という意味の,マダ表現の時ナシ動詞です。
◇ (時ナシ動詞) マダ表現
3人称単数は,主語のシルシとして,‘yu-’も使うことができます。
マダ表現は,肯定形のみです。
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