もっと学びたい人へ(8)
名詞クラスについて,人間や動物の属性を持つ名詞に関わる語には,所属クラスに関係なくクラス1/2のシルシが使われると,第8課で説明しましたね。
しかし,人間の属性を持つ名詞であるにも関わらず,クラス1/2のシルシを採らない名詞もあるのです。ここでは,このような名詞について見ておきましょう。
それから,名詞クラス11の抽象名詞についても,ここで一緒に見ておきましょう。
◆ ‘rafiki yangu’
‘rafiki’〈友人〉は,クラス9の名詞です。もちろん人間ですね。先にも述べた,「人間や動物の性質を持つ名詞に関わる語には,所属クラスに関係なくクラス1/2のシルシが使われる」という規則に従うと,〈私の友人〉は‘rafiki wangu’となるはずです。しかし,そうはなりません。〈私の友人〉は,‘rafiki yangu’となるのです。‘yangu’はクラス9の形ですね。
〈私たちの友人〉も‘rafiki yetu’,〈あなたの友人〉も‘rafiki yako’,〈あなたたちの友人〉も‘rafiki yenu’,〈彼(女)の友人〉も‘rafiki yake’,〈彼(女)たちの友人〉も‘rafiki yao’となり,‘rafiki’〈友人〉と関わる語にクラス9の形が用いられます。
少しややこしいですが,例えば〈のぞみの友人〉は‘rafiki wa Nozomi’となります。‘=a’〈の〉の形では,「人間や動物の性質を持つ名詞に関わる語には,所属クラスに関係なくクラス1/2のシルシが使われる」という規則がそのままはたらくのです。また,〈この友人〉も‘rafiki huyu’となり,‘h=’〈この/これ〉,‘h= o’〈その/それ〉,‘=le’〈あの/あれ〉,‘=pi’〈どの/どれ〉の形でも所属クラスに関係なく,人間や動物の性質を持つ名詞の場合にはクラス1/2のシルシが用いられます。注意してくださいね。
他にも以下のような名詞が,人間の属性を持つ名詞であるにも関わらず,〈私の〉,〈私たちの〉,〈あなたの〉,〈あなたたちの〉,〈彼(女)の〉,〈彼(女)たちの〉が,クラス1/2のシルシではなく,所属クラスに従ったシルシを採ります。
‘rafiki’〈友人〉は別として,以上は全て親族の名称ですね。〈私の〉などが所属クラス通りのシルシを採るのは,親族名称に多いようです。
◆ 抽象名詞(名詞クラス11)
名詞クラス11の名詞のシルシ‘u-’は,抽象名詞を作ります。ここで例を見ておきましょう。
これらの抽象名詞を名詞クラス11の語とは別にして,名詞クラス14とする文法書もあります。ただし,抽象名詞を名詞クラス14とした場合も,語形ならびに関わる語の語形は名詞クラス11と全く同じになります。
◆ 国名
国名を表わす語には,名詞クラス11の名詞のシルシ‘u-’を採ったものもあります。
ただし,全ての国名が‘u-’から始まるわけではありません。その他の幾つかの国名についても見ておきましょう。
‘China’ 〈中国〉は,うっかり「チャイナ」と,英語読みしてしまいそうになりますが,「チナ」と発音します。気をつけて下さいね。
もう一つ,注意しておかなければならないことがあります。‘u-’を採る国名は,たとえこのように名詞クラス11の名詞のシルシを付けていても,関わる語はみな名詞クラス9の形になります。これは,‘nchi’ 〈国〉という語や,他の‘u-’を採らない国名がみな名詞クラス9の語であるため,国名はすべて名詞クラス9であるという暗黙のルールがはたらくことによります。
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