第12課 Att köpa flygbiljett(航空券の購入)

●文法解説

 

1.受身表現

 スウェーデン語の受身の表現には3通りありますが,それぞれに多少の機能の違いが認められます.行為者はどの用法でもav X <Xによって> で示されます.

 

s-passiv

 まず,s-passivの動詞の活用を学びましょう.動詞に -sを付加しますが,現在形では語尾の -rが脱落することに注意してください.

 

不定詞現在形過去形完了分詞
talastalastaladestalats<話される>
stängasstängsstängdesstängts<閉められる>
köpasköpsköptesköpts<買われる>
syssyssyddessytts<縫われる>
skrivasskrivsskrevsskrivits<書かれる>

 

s-passivは通例,繰り返しが予想される行為や恒常的な行為に対して用いられます.

 

Svenska talas i Sverige och Finland.

<スウェーデン語はスウェーデンとフィンランドで話されている>

Banken stängs kl. tre. <銀行は3時に閉まる>

 

bli-passiv は [bli+過去分詞] で構成されます.

 まず過去分詞を見てみましょう.形容詞の変化と同様に,共性単数,中性単数,複数があります.

 

不定詞過 去 分 詞
共性単数形中性単数形複数形
talataladtalattalade<話される>
stängastängdstängtstängda<閉められる>
köpaköptköptköpta<買われる>
sysyddsyttsydda<縫われる>
skrivaskrivenskrivetskrivna<書かれる>

 

bli-passivは一回限りの行為を示し,行為のプロセスに重点が置かれます.

 

Dörren blev stängd av Erik. <ドアはエーリックによって閉められた>

Det här brevet blev skrivet igår. <この手紙は昨日書かれた>

 

vara-passiv は [vara+過去分詞] で構成されます.

vara-passivは行為の結果・状態に重点が置かれます.

 

Dörren är stängd. <ドアは閉められている,閉まっている>

Hans namn är skrivet. <彼の名前が書かれている,書いてある>


 

2.相互動詞

 s-passivと同じ形態をとりますが,受身を表すのではなく「お互いに~し合う」の意味を持つ動詞があります.varandra <お互いに(英語:each other)>で置き換えることができます.

 

De kramades. <彼らはお互いに抱き合った>

= De kramade varandra.

Vi ses kl. åtta. <8時に会いましょう>

 

他にkyssas <キスをし合う>,träffas <お互いに会う>, hjälpas åt <お互いに助け合う> などがあります.


 

3. デポーネンス動詞

 動詞の形態はs-passivと同じですが,相互動詞でもなければ受身でもなく,ごく普通の能動態の動詞と同じ意味を持ちます.

 

Det finns en bok på bordet. <テーブルの上に本が一冊あります>

Jag hoppas att allt går bra. <すべてがうまく行くことを願っています>

 

デポーネンス動詞の特徴:

 デポーネンス動詞から語尾のsを取り除くと,そのような動詞はスウェーデン語には存在しないか,または存在しても元のデポーネンス動詞の持っていた意味とはまったく異なった意味になってしまうという傾向があります.

 

デポーネンス動詞sを取り除いた場合の動詞
andas <息をする>*anda (このような動詞は存在しない)
hoppas <希望する>hoppa <飛び跳ねる>

 

 他に次のようなデポーネンス動詞があります.

 

andas<息をする>fattas<不足している>
lyckas<何とかうまくやり遂げる>minnas<覚えている>
svettas<汗をかく>trivas<楽しく過ごす>