スウェーデン語はノルウェー語,デンマーク語,アイスランド語とともに北ゲルマン語のグループを形成し,これらの言語はまた西ゲルマン語に分類される英語,ドイツ語,オランダ語とともにゲルマン語派に所属してします.したがって,スウェーデン語には当然のことながら,英語との共通点が数多く見出せます.語彙レベルで言うならば,たとえば,スウェーデン語の äpple, katt, bok, fot, gå が英語の apple, cat, book, foot, go に相当すると聞けば納得されるでしょうし,語順もほぼ英語の語順と同じと知ると,英語の知識を援用してスウェーデン語を習得した方がはるかに効率的で,しかもストレートに理解できると確信されるでしょう.同じ文法事項であれば,それに相当する英語を示せば,同じ項目であれば,その説明も自明となり,不要になりましょう.そのような理由で,本教材には単語説明や文法事項で時折,英語が挙げてあります.
ところで,スウェーデン語はどこで話されているでしょうか.スウェーデン本国(人口約910万人)はもちろんのこと,実はフィンランドの一部(オーランド諸島,オーボ周辺,ヘルシンキを挟む東西の海岸線地域,さらにフィンランド西部の町ヴァーサ周辺の海岸線地域)でも母国語としておよそ30万人のフィンランドの人たちによって話されています.ちなみに,フィンランドではスウェーデン語も公用語です.また同じ北ゲルマン語のデンマーク語やノルウェー語とも(アイスランド語は特別に学習をしないと理解できません),かなり類似していますので,それぞれの言語間でかなりの程度コミュニケーションを図ることができます(デンマーク語とは口頭による場合は意志疎通度が少々低下しますが).すると,デンマークやノルウェーの人口を加えて単純計算するならば,スウェーデン語はおよそ2000万の人々によって理解されると解釈でき,北欧の中では大言語と言えるでしょう.