街では、スーパーマーケットやモールで買い物をすることが普通になってきましたが、伝統的な市場(pasar)も依然として存在しています。市場専用のオープン・スペースに、食料品やその他の日用品を売る人々が集まって、それぞれに小さな店を開いている場合もありますし、2〜3階建ての建物の中に集められて、店ごとに小さい区画を割り当てられている場合もあります。食料品の場合、午前中あまり暑くならないうちに出かけなければなりませんが、市場の方が新鮮で安価であるため、日々の食料品や日用品は市場で買う方が普通です。
市場や観光地の売店などの場合、スーパーマーケットと違い、定価というものがありません。値段は売り手と買い手の交渉によって決まります。購入する数量によって値段が変わる場合もあります。そのため、様々な要素を取り入れつつ、うまく値切るテクニックが必要です。一般的には、言い値の半分の値段から値切っていくのがコツとされています。特に、観光地では価格はかなり変わりますので、気をつけて。
左手が不浄の手であることは、前回説明しました。そのため、インドネシアの人は左手で何かを渡すことは相手に対して失礼であると考えています。子供の頃から、左手を使うことをきつく禁じられており、必ず右手で物を渡します。特段の理由なく左手でものを渡すと、相手の気を害しますから、気をつけましょう。右手がふさがっていて、どうしても左手を使わなければならない場合には、例えば、"Maaf, pakai tangan kiri." 「左手ですみません」と、一言謝りましょう。
Mas は「お兄さん」、Mbakは「お姉さん」という意味のジャワ語の単語です。比較的若い人、または自分に年齢が近い親しい年上の人に対する呼びかけの言葉として使われます。名前の前につけて、敬称としても使います(例えば、Mas Joko 「ジョコさん」、Mbak Tini「ティニさん」など)。インドネシア語にも「お兄さん」「お姉さん」にあたるKakakという言葉はありますが、ジャワ人以外の人々によるインドネシア語の会話のなかでも、MasやMbakがよく使われ、すでにインドネシア語として定着していると言えるでしょう。Bapak(Pak)やIbu(Bu)が、比較的年輩または地位が上の人に対する時や、よりフォーマルな場面で使うのに対し、MasやMbakはよりインフォーマルな場面で用います。日常生活のなかで、店員やウェイター/ウェイトレス、お手伝い、運転手などへの呼びかけとして用いられています。