「留学中はいろいろな行事に参加してみたいな。」
春、夏、秋、冬ごとに、ハンガリーの祝日 nemzeti ünnep や民間行事を紹介します。
・3月15日 独立戦争記念日 1848-as forradalom és szabadságharc ünnepe
オーストリア帝国の支配下にあったハンガリーは、独立を求めて戦うも敗北し、指導者コシュート・ラヨシュは亡命、首相バッチャーニ・ラヨシュはじめ13人のハンガリー軍の将軍ら、多くの人々が処刑された。国民的大詩人ペテーフィ・シャーンドルもこの戦いに参加し、戦場の露と消えた。
独立戦争記念日、フサール(ハンガリー軽騎兵)のパレード
独立戦争記念日の国民博物館。詩人ペテーフィ・シャーンドルはここで人々に決起を呼びかける詩を読みあげたと言われている。赤白緑はハンガリー国旗の色。
・4月 復活祭(イースター)húsvét
ハンガリーはキリスト教徒がもっとも多い。復活祭はイエス・キリストの復活を記念するキリスト教の祝日。春分後の満月のあとの最初の日曜日と月曜日が祝日になる。男性は女性に水や香水をかけ、女性は絵を描いた卵(イースターエッグ)を男性にプレゼントする習慣がある。
イースターのときの聖イシュトヴァーン大聖堂。聖堂の前に大きなイースターエッグが飾られている。
イースターエッグ
・5月1日 メーデー munka ünnepe:労働者の日
春を祝う祭りの日でもある。地方ではこの日に飾りつけた木(五月の木 májusfa)を立てる習慣がある。
・6月 聖霊降臨祭 pünkösd
復活祭から50日後、使徒たちの上に聖霊が降りてきたことを記念するキリスト教の祝日。
・8月20日 建国記念日 Szent István király ünnepe
ハンガリー初代国王イシュトバーン1世を記念する日。
建国記念日として各地でさまざまな行事が開催される。ブダペストではドナウ河岸で航空ショーが、夜は花火大会が行なわれる。また、ふだんは聖イシュトヴァーン大聖堂に安置されているイシュトヴァーンの右手のミイラが持ち出され、町中を練り歩く行事も行なわれる。
「聖なる右手」の行列
夜はドナウ川から花火が打ちあげられる。
ブダの王宮では職人祭りが行われ、全国各地の手工芸品が展示即売される。
・10月23日 1956年革命記念日 az 1956-os forradalom ünnepe
1956年、ブダペスト市民が社会主義体制に反対して立ちあがったが、ソビエトの戦車に鎮圧された。首相ナジ・イムレはのちに処刑され、多くの人々が国外に亡命した。
・11月1日 万聖節 mindenszentek napja
全聖人を記念するキリスト教の祝日。
・12月6日 ミクラーシュの日 Mikulás napja
ハンガリーではこの日にミクラーシュ(サンタクロース)が子どもたちにプレゼントを持ってやってくる。
子供たちへのプレゼントはチョコレートのサンタさん。
・12月25日、26日 クリスマス karácsony
キリストの誕生を祝うキリスト教の祝日。
ブダペストのヴェレシュマルティ広場 Vörösmarty térでは、ハンガリー最大のクリスマス市が開かれる。クリスマスは家族で静かに過ごす。
ヴェレシュマルティ広場 Vörösmarty térのクリスマス市 スパイスの効いたホットワインを飲みながら、プレゼントをさがすのが楽しい。
聖イシュトヴァーン大聖堂の前にもツリーが飾られる。
・12月31日 大晦日 szilveszter
・1月1日 新年 újév
・2月 ブショー祭り Busójárás
ハンガリー南部の町モハーチMohácsの民俗行事。
秋田のなまはげのようなお面をかぶり毛皮をまとって男たちが、大きな音をたてて町を歩きまわる。起源をめぐっては諸説あり、オスマン人を追い払うためとも、冬を追い払うためとも言われている。
元はこの辺りに暮らしていたスラブ系の人々の祭り。
広場では冬に別れを告げることを象徴して、棺が燃やされる。
今ではモハーチの観光の目玉。陽気なブショーは頼めばいっしょに写真をとってくれる。