ここでは,第4課のスキット内で使われている会話表現をもとに,初歩的な会話表現について見ていくことにしましょう.
解 説
これは道を尋ねるときの表現です.また,
Hvordan kommer man derhen? どうやってそこに行きますか?
このようにkanを用いないで,動詞の現在形kommerだけでも道を尋ねることができます. この問いに対して,スキット内では次のように答えています.
解 説
日本語訳を見てみましょう.<行きます> という訳があります.それでは,デンマーク語の文でこの <行く> に当たる部分はどこになるでしょうか?
上記のデンマーク語の文では <行く> に当たる動詞が省略されているのです.それは,<~する予定である>,<~しなければならない> という意味を持つskalが,方向を表す副詞句,ここではtil Kongens Nytorv,と組み合わされる場合に起こります.
スキット内には,「skal+方向の副詞」という例文が他にもありました.
Vi skal først forbi Tivoli hen til Strøget.
私たちはまずストロイエズに向かってチボリ公園を通り過ぎます.
Vi skal lige ud til Kongens Nytorv, ikke?
私たちはコンゲンス・ニュトーウまで真っ直ぐに行くのですよね?
Så skal vi over Kongens Nytorv til Nyhavn.
それから私たちはコンゲンス・ニュトーウを渡ってニュハウンへ行きます.
Og dér skal vi til venstre.
そしてそこで左に行きます.
しかし道順を説明するときに,<行く> という意味の動詞gåが使えないというのではありません.スキット内の表現にあるように,
Så går vi lidt ad Store Strandstræde og går til højre.
それから私たちはストーアストランストレーゼに沿って少し行って,そして右に行きます.
gåを用いて表すこともできます.
解 説
Lad os + 動詞の不定詞
で <…しましょう!> という「勧誘」を表します.これは英語の〔Let us + 動詞の不定詞〕に対応しています.また,ladは動詞lade <…させる> の命令形です.
解 説
vil gerne + 動詞の不定詞
で <…したい> という意味を表します.よく使われる表現です.スキットには出てきませんが,例えば次のようにして使われます.
Jeg vil gerne købe en ny bil. 私は新車を買いたいです.[ny:新しい]
Jeg vil gerne hjælpe dig. 私はあなたを手伝いたいです.
解 説
hvor ... hen で <どこへ> の意味になります.ちなみにhen自体は <(少し離れた)そこへ> を意味する方向を表す副詞です.skalは <…することになっている> という「予定」を表します.
また,相手にこれからどこへ行くのかを尋ねる際に,
Hvor skal du hen? どこへ行きますか?
という言い方がよく使われますので,ぜひ覚えましょう.
さらに,i dagは <今日> を意味します.このように前置詞iを用いて時を表す表現が他にもありますので,覚えましょう.
i morgen <明日>
i overmorgen <明後日>
i går <昨日>
i forgårs <一昨日>
解 説
この文では,det der store springvandで<あの大きな噴水>という意味になっています.最初にあるdetは,第2課のHvad er det? <これは何ですか?> という表現で使われているdetのように,「これ,あれ,それ」という意味を表すものです.このような機能を持つdetは指示代名詞と呼ばれます.
特に話し言葉では,このdetは「あれ,それ」という意味の場合は,det der というように,「あそこ」という意味のderを伴って使われることが多く,また「これ」という意味の場合は,det her と「ここ」という意味のherを伴って使われることが多いです.
さらに,例文にもあるように,このdet der / det her の後に名詞を置いて,「あの~/その~」や「この~」というように使うこともできます.
また,このように指示代名詞が付けられた名詞は,既にそれが何か分かっているものと考えられるため,形容詞storには,既知形の語尾 -e が付けられています.