ここでは,第3課のスキット内で使われている会話表現をもとに,初歩的な会話表現について見ていくことにしましょう.
解 説
この文の意味上の主語は「1つのテーブルと3つの椅子」ですが,どのテーブルや椅子のことを指すのかは不明です(定まっていません).
このような主語のことを「不定主語」と言います.デンマーク語では,通常,「不定主語」で文を始めることを嫌います.つまり,日本語訳から想像されるデンマーク語,
×Et bord og tre stole er.
とは言わないということです.「不定主語」を使う場合は,文をder という形式主語で始め,その次に「動詞」そして「不定主語」となります.
「不定主語」とは,具体的にどの対象物を指すのかが不明・未定の名詞のことですので,名詞の形態には,第2課で学習した「名詞の未知形」が使われます.
Der er 名詞の未知形 :~があります.
上の例文内では,et bordとtre stoleとがありますが,et bordについては,第2課で学習しました.tre stoleのtreは <3> を表す数詞で,stoleは en stol <椅子>の複数未知形です.どちらの名詞も未知形であることに注意してください.
それでは,der er で始まるスキット内の他の例文を見てみましょう.
解 説
形容詞laveは,未知で複数形の名詞,すなわち複数未知形のreolerを修飾するため,未知形複数形の変化語尾 –eが付加されています.この文でも名詞は未知形が使われていますね. また,数詞 fire <4> は形容詞 lave <背の低い> よりも前に置かれていることに注意してください.
解 説
この文でも意味上の主語となっている「en lampe(1つの電灯)」は未知形です.また,「天井に」という意味の i loftet では,どの天井のことを指すのかが明白,つまりジュンコが引っ越す部屋の天井のことを指しているので,既知形が使われます.
解 説
「いつ~しますか?」という疑問文は,「いつ」を表すhvornårで始めます.hvornårの後で,動詞→主語という疑問文の語順が続きます. また,ここでは現在形を使って未来のことを表しています.デンマーク語では,動詞の現在形を使って未来のことを表すことができることも覚えておいてください.
解 説
「前置詞om+時間を表す表現」
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未来の時間:<(今から)…後に,…たてば>
om fjorten dageは,直訳すれば,<(今から)14日後に> の意味です.ただ,デンマーク語では 文字通り <2週間後> を表す om to uger という表現よりも,このom fjorten dageの方が <2週間後> を表す際に好んで用いられる傾向がありますので,ここでは <(今から)2週間後に> にと訳しています.
―その他のomを用いた未来の時間を表す表現―
om en uge (om otte dage ) 一週間後に
om lidt 少ししたら
解 説
デンマーク語で「感謝の気持ち」を表すときには,takという単語を使います. Mange takは直訳すると,「たくさんのありがとう」という意味で,「どうもありがとう(ございます)」を表すのに使われます.
次のように,いろいろな言い方がありますので,ぜひ覚えましょう.
Tak! ありがとう(ございます).
Tusind tak! どうもありがとう(ございます).
Tak skal du have. どうもありがとうございます.(相手が一人の場合)
Tak skal I have. どうもありがとうございます.(相手が複数の場合)
解 説
英語のIt sounds good.に相当する表現です.一種の決まり文句として覚えましょう.
解 説
vil helst have ~ は,<~が一番ほしい> という意味です.この「一番」という意味は,helstが表しています.helstは,gerneという副詞の最上級です.gerneは「喜んで」という意味にも使われる副詞ですが,vil gerne have ~ という使い方で <~がほしい> という意味を表します.
et rødt et <赤いの> は英語のa red oneに相当します.つまり,最初のetは不定冠詞,2番目のetは代名詞です.そして2番目のetは,スキット内では,et tæppeの代わりに用いられています.このtæppe,あるいは代名詞のetが中性であるために形容詞もrødtとなっています.
ここで,rød <赤い> 以外の色を表す形容詞を覚えましょう.
形容詞 | 意味 |
blå | 青い,青の |
brun | 茶色い,茶色の |
grøn | 緑の |
grå | グレーの,灰色の |
gul | 黄色い,黄色の |
hvid | 白い,白の |
lilla | 紫色の |
orange | オレンジ色の |
sort | 黒い,黒の |
また,上記の色を表す形容詞には,lys <明るい> やmørk <暗い> という形容詞とともに1語となって,lyserød <淡い赤> やmørkeblå <濃い青> といったように,色のヴァリエーションを表すことができるものもあります.
解 説
肯定文 , ikke?
このように肯定文の後に,否定の副詞ikkeが付加されると,「~ですよね?」,「~でしょう?」といった付加疑問を表すことができます.このような付加疑問文は,会話でよく使われます.
このikkeを用いた付加疑問文に対して,スキット内ではjoを使って,「はい」と答えています.joが疑問文の返答として使われるのは,原則として,疑問文に否定が含まれている場合です.