第2課 これは何ですか?

●会話表現

 ここでは,第2課のスキット内で使われている会話表現をもとに,初歩的な会話表現について見ていくことにしましょう.

 

1. 「これ/それ/あれは何ですか?」―「これ/それ/あれは~です」

Hvad er det?  これ/それ/あれは何ですか?

この文は,何か特定のものについて,それが何であるかを尋ねる文です.文中のdetは,特定のものを指し示すために使われる指示代名詞です.






Det er en ostehøvl.  それはチーズスライサーです.
Det er en osteskærer.  それはチーズカッターです.
Det er et smørebræt.  それはサンドイッチプレートです.

これらの文に共通している表現

Det er 不定冠詞 en / et + 名詞

は,上で見た「これは何ですか?」: Hvad er det?という質問に対して答える場合,あるいは単に特定のものについて紹介をする場合に使われます.

 

スキット内に出てくる例文では,それぞれの名詞の前にはen / etが置かれています.これは不定冠詞で,例えば英語のaやanに相当するものです.





2. 「~を持っていますか?」―「はい,持っています」,「いいえ,持っていません」

Har du en lommeregner?  計算機を持っていますか?

第1課で学んだように,デンマーク語では,疑問詞を使わない疑問文の場合は,動詞と主語の位置を入れ替えます.

 

Har du en blyant?  鉛筆を持っていますか? [en blyant:鉛筆]

Har du et kort?  地図を持っていますか? [et kort:地図]






Ja, det har jeg.  「はい,持っています.」

スキット内では, 「あなたは計算機を持っていますか?」という質問に対して,ジュンコは計算機を持っているので,Ja, det har jeg.と答えています.このdetは, en lommeregnerの代わりに使われているもので,英語の (So do I. やSo am I.に見られる) soに相当する表現です.

また,このdetは動詞や主語よりも前に置かれます.それは,情報の流れがその方が自然であるからで,語順はdet+動詞(have)+主語となります.ここでも動詞と主語の倒置が起こっています.








3. 「~を持っていませんか?」―「はい,持っていません」

Har I ikke sådan en i Japan?  あなたたちはそのようなものを日本では持っていませんか?

スキット内では,この文の直前で,リーヴァとジュンコはosteskærer <チーズカッター> について話しています.文中のsådan enというのは,そのチーズカッターそのものを指し示すのではなく,「そのチーズカッターのようなもの」を指します.

また,上でみたHar du en lommeregner? とは異なり,このHar I ikke sådan en i Japan? では疑問文の中に否定の副詞ikkeが使われています.ikkeの位置に注意しましょう.






Nej, det har vi ikke.  はい,持っていません.

スキット内では,「あなたたちは日本でそのようなものを持っていませんか?」という質問に対して,ジュンコは日本にはそのようなもの(=チーズカッターのようなもの)はないので,Nej, det har vi ikke.と答えています.

上でみた,Ja, det har jeg.と同様に,Nejの直後には,detが置かれます.このdetは疑問文中のHar I ikkeを除いた部分全体,すなわちsådan en i Japanの代わりをしています.このdetに続いて動詞→主語→否定の副詞という語順になります.






4. ~を~に持っています

Jeg har den i tasken.  私はそれをバッグの中に持っています.

taskenは共性名詞en taske <バッグ,鞄> の単数既知形です.名詞の既知形は英語の定冠詞が付いた名詞に相当します.つまり,taskenは英語のthe bagに相当するわけです.

 

Jeg har den i kufferten.  私はそれをスーツケースの中に持っています

[en kuffert:スーツケース]

Jeg har den i lommen.  私はそれをポケットの中に持っています

[en lomme:ポケット]

 







5. その他の便利な表現

Hvad er den til? / Hvad er det til?
 それは何のためのものですか?/それは何に使いますか?

tilは「利用・使用目的」を表す前置詞で,A er til Bは <AはBのためのものです> を意味します.





for resten  ところで

会話で話題を変えたいときなどに使います.

Har du for resten en lommeregner ? :ところで計算機を持っていますか?





Værsgo !  どうぞ!

相手にものを手渡すときなど,相手の利益になるような物事を勧めるときに使います.