〈一〉唇の円唇、非円唇

まず、日本語の例で理解しましょう。「イ、オ」を繰り返して言ってみた時の唇の動きを確かめてみてください。「イ」を発音するときに左右に開いた口角（左右の端）が、「オ」の時は真ん中に寄ると思います。「イ」のような唇を非円唇、「オ」のように真ん中に寄った唇を「円唇」と言います。中国語のiとoは日本語の「イ」と「オ」ほぼ同じです。iは非円唇、oは円唇になっていることを確認してください。üはiの舌の構えのまま唇を円唇にします。またeはoの舌の構えのまま唇を非円唇にします。

〈二〉舌の前より、奥より

「イ、オ」を繰り返して言ってみた時、舌の位置を確かめてみてください。「イ」の時は舌が前にせり出し舌の表面が上の歯茎にかなり近づいていますが、「オ」の時は舌全体が奥の方に引き込まれていると思います。「イ」のような舌の構えは前より、「オ」のは奥よりと言います。中国語のiとoは日本語の「イ、オ」とほぼ同じで、iは前よりoは奥よりです。uは日本語の「ウ」に近いですが、日本語の「ウ」は円唇性が足りないのでしっかり円唇にし、舌も奥よりにします。そのため、日本語の「ウ」よりは籠った音色に聞こえます。

〈三〉広い母音、狭い母音

「ア、エ、イ」を繰り返してみて、口の中の空間が「広い、中くらい、狭い」となっていることを確かめてみてください。それぞれ広母音、中広母音、狭母音と呼ばれます。 中国語の単韻母を日本語の五母音と比較したものを図示すると次のようになります。